日本三大海城にも数えられる讃岐高松城。かつては四国最大の天守が建っていました。現在、城の半分は市街地化していますが、貴重な現存三重櫓が2基残っています。
「讃州さぬきは高松さまの城が見えます波の上」
2021年2月登城
満足度:★★★★★
歴史
1587年に豊臣秀吉から讃岐一国を与えられた生駒親正は、翌1588年から高松城を築城しました。二の丸・三の丸は瀬戸内海に面し、小島のような本丸には南蛮造の天守がそびえ建っていました。
1640年にお家騒動による生駒家転封後、常陸国から松平賴重が東讃岐12万石の藩主として入封し、北の丸と東の丸を増築しました。以降11代にわたって松平氏の居城となりました。
交通アクセス
行きやすさ:★★★★★
JR高松駅から徒歩5分。ことでん高松築港駅にいたっては、高松城の堀を埋め立てたところに駅があります。
城歩き
南東の旭橋から桜の馬場、三の丸、二の丸を通って本丸天守台にアクセスしました。ちなみに高松築港駅からでしたら、西入口経由ですぐに本丸に辿り着けます。
旧高松御城全図から
本丸を二の丸、三の丸、桜の馬場が取り囲み、内堀に浮かぶ本丸は小島のようでした。また、二の丸・三の丸・桜の馬場の北側・東の丸は瀬戸内海に面しており、高松城が海城だったのがよく分かります。
現在の高松城
現在は埋め立てと市街地化が進み、上の図から残っているのは半分程度。特に残念なのは、本丸と二の丸の東側の堀が埋め立てられて、ことでん高松築港駅になってしまっていること。地続きになってしまい、水城らしさが薄れてしまいました。
艮櫓
1677年に築かれた三重三階の艮櫓。艮(北東)なのに南東にあるのは、1967年(昭和42年)に東の丸から桜の馬場の太鼓櫓跡に移築されたからです。その際に向きも右に90度回転しています(そうしないと石落としの一部が内を向いてしまう)。
旭橋
桜の馬場の東端に架かる旭橋。堀を斜めに渡る筋違い橋となっており、橋を渡る敵に対して城内から横矢(側面攻撃)を掛け易くなっています。意外と珍しい縄張りです。
旭門枡形
旭門の内側は枡形になっており、切込接ぎの技法で石垣が積まれています。大手口だけあって、大きめの石がモザイク状に積まれていて美しい。
桜の馬場
当時から広場として使用されていた桜の馬場。当時はL字の縄張りでしたが、現在残るのは南側のみです。ただただ広いね。
本丸(天守台)
内堀越しに天守台を眺めながら、桜の馬場から三の丸に向かいます。天守台の石垣は打込接ぎで積まれており、色様々な石が堀に映えてきれい。
披雲閣
高松松平家の別邸として大正6年に建てられた建物です。現在は、茶会や生け花展等に利用されています。以前は入れた記憶がありますが、この日はNGでした。
月見櫓と水手御門
三の丸の先に築かれた新曲輪に残る月見櫓。水手御門は直接海に向かって開かれており、藩主は水手御門から小舟に乗り、沖に停泊する御座船に乗り込みました。海城らしくていいね。
月見櫓
出入する船を監視する役目を持った月見櫓。付属する水手御門や渡櫓と共に重要文化財に指定されており、日曜日には内部が開放されています。昔は海がもっと近かったんでしょうね。
北からの天守台
三の丸から二の丸に向かう途中で、天守台をちらり。高松城の堀の水は海水のため、タイやチヌが泳いでいるところも見られます(運次第のところもありますが)。
鉄門跡(東側)
三の丸から二の丸への入口には鉄門がありました。その名の通り、門扉は鉄板貼りであり、鉄錆の跡が石に残っていました。錆びるんだ。
鞘橋
二の丸から本丸に至る唯一の橋であり、いざという時には橋を落とすことで本丸を死守します。当初は「らんかん橋」でしたが、江戸時代途中に屋根が付けられました。
本丸
本丸は東西に細長く、東端に天守台が築かれています。まるで前方後円墳みたいだな。
天守台
かつて、高さが27メートル近くある、四国一の大きさの天守が建っていました。その造りは層塔式で、最上階がその下の階より広くなっているため、南蛮造とも呼ばれました。現在天守再建を目指していますが、そのための資料が足りず難航しているようです。
鉄門跡(西側)
こちらは二の丸から桜の馬場に出る西側の鉄門跡になります。これは出口側からの写真になります。
高松築港駅ホーム
高松城の堀跡に、線路が走っています。堀跡って用地買収の必要がないので、かつては名古屋城や上田城でも線路が走っていました。
JR高松駅近くに地上30階建ての高松シンボルタワーが建っています。このビルの展望エリアから高松城を眺めることが出来るので上ってみました。
展望エリア
テナントにレストランが入っているので、その準備時間の10時~11時、15時~17時に入場することが出来ます。この日はコロナ禍のためか、レストランは休業中でした。ガランとした中に一人。
高松城をミニチュア模型のように眺めることが出来ます。ことでんのホームが堀跡にあるのも分かります。
瀬戸内海
眺めがいいね。瀬戸内海も眺めることが出来ます。無料ですので、時間があればぜひどうぞ。
感想
日本三大海城と呼ばれるだけあって、立派な天守台が印象に残りました。また、海と繋がっているためか、堀の水もとてもきれいでした。だからこそ、内堀の西側が埋め立てられているのが残念です。堀に囲まれた天守台を見てみたかったですね。