山城で唯一の現存天守が残る備中松山城。5年ぶりに訪問したら、いろいろと変わっていてビックリしました。前回は駅から徒歩で登城しましたが、今回は乗り合いタクシーを利用してみました。また、猫城主にも挨拶してきましたよ。
2020年9月登城
満足度:★★★★★
交通アクセス
城まちステーション(5合目)まで車で行って、そこから登城整理バス(往復400円)でふいご峠(8合目)まで上ります。ふいご峠から天守まで徒歩20分。これが普通のルートだと思います。(車がないとつらい)
ただ、電車利用の観光客のために、市が乗り合いタクシーを運行してくれていますので、今回はそれを利用してみました。
ちなみに駅から歩いて天守を目指すと1時間30分はかかります。
前回の徒歩での登城の苦難の記録
乗り合いタクシー
改札を出てすぐに洒落た図書館を発見。市から委託を受けたカルチュア・コンビニエンス・クラブが運営しており、TSUTAYAやスターバックスも入っています。観光協会もこの中にありますので、乗り合いタクシーの受付を行います。詳細な松山城の地図もありますので忘れずゲット。
確認表
観光協会で受付を済ませます。乗り合いタクシーの予約は前日5時までに済ませる必要があり、帰りに武家屋敷で途中下車することも選べます。
備中松山城遠景
臥牛山山頂に小さく見える天守。なんで前回あそこまで歩いたんだろ?
乗り合いタクシー(?)
出発時間の5分前に運転手さんが迎えに来てくれます。この時の利用者は5名だったので、バンで出発です。ちなみに帰りは3名利用で、普通のタクシーでした。
ふいご峠駐車場
あっという間に10分ほどでふいご峠駐車場に着きました。徒歩だと1時間はかかるんだよね。前日予約が必要ですが、とても便利なのでぜひ利用してください。
ふいご峠駐車場への道
ふいご峠駐車場への道はかなり狭く、すれ違いは非常に困難です。運転に自信のない方は無理しちゃいかん。
城歩き
ふいご峠駐車場から松山城天守まで歩いて向かいます。ここまでタクシーで来たんだから、楽勝かと思いきや・・・
いきなり山道
いきなり結構な山道から始まります。天守まで20分とのこと。
登城心得
所々に登城心得が立ててあります。あわてずゆっくり上らせていただきます。
中太鼓櫓跡
山道を上ること約6分。唐突に現れた中太鼓櫓の立派な石垣。太鼓の音の中継基地として利用されました。
大手門前の石段
更に中太鼓櫓跡から歩くこと5分。奥に見えるは大手門入口の石垣。ようやくここまで辿り着きました。
大手門脇の岩盤と石垣
大手門脇には巨大な岩盤があり、その上には石垣が築かれています。大河ドラマ「真田丸」のオープニングにもこの岩盤が登場しています。(CGで滝が流れていました)
大手門跡
山城とは思えない立派な枡形で、かつては櫓門が建っていました。ここも「真田丸」のオープニングに登場しています。(なぜか水が流れてた)
大手門枡形の石垣
正面の石垣前には、足軽籍番所が設けられていました。山麓から本丸に向かうには必ず大手門を通る必要があるので、やたらと厳重な構えです。
三の平櫓東土塀
観光客のほとんどは気づきませんが、枡形を出て正面の土塀は現存で重要文化財に指定されています。。
三の丸
大手門を抜けた先は三の丸。普通は本丸→二の丸→三の丸と広くなるのですが、山城故にそれほど広くはないですね。
段々石垣
三の丸から見上げた段々石垣。曲輪が上に重なっているので、下から見上げると段々畑みたい。
二の丸への石段
三の丸からは帯曲輪と二の丸の石垣を横目に上っています。
鉄門(二の門)跡
鉄門跡を通って二の丸に入ります。かつては櫓門が建っており、ここから城下が一望できます。
二の丸
備中松山城で一番広い曲輪である二の丸。ようやく天守が見えてきました。
雪隠跡
二の丸の南東隅にある雪隠(せっちん)跡。古絵図にも描かれており、5つに仕切られていました。近くにもう一つ雪隠跡がありますが、増築したのかな?
本丸平櫓と天守
右奥に見えるのが目指す本丸天守。平櫓の間にある南御門から本丸に入ります。
猫城主さんじゅーろー
本丸には猫城主のさんじゅーろーが寛いでいました。その正体は2018年(平成30年)に松山城に迷い込んだ飼い猫ですが、今ではすっかり人気者。観光客から逃げるわけでもなく、堂々としてらっしゃいました。
ようやくたどり着いた本丸天守。国内で山城に残っている唯一の天守です。2層2階とこぢんまりとしており、高さは現存天守中で一番低いです(1階面積では丸亀城が最小です)。
天守内部1階
意外と広い天守内部。 天守の外壁と内壁の間に空洞があることから(銃弾に脆い)、実戦は想定されていなかったとのこと。
囲炉裏
籠城時に暖を取るための囲炉裏です。妙に生活感を感じるな。
天守内部2階
2階では御社壇を設けて、三振の宝剣を始めとした神々を祀っていました。
二の丸帯曲輪
天守を見学した後は、一旦本丸から下りて、本丸の裏側に向かいます。この辺りからのアングルも「真田丸」のオープニングに登場しています。
東御門
二の丸帯曲輪から本丸に入る東御門。残念ながら閉じられています。(本丸は有料区域だしね)
搦手門跡
かつては搦手門から大手門方面と土橋方面へと犬走りが続いていましたが、現在は崩れて通れません。残念。
二重櫓
岩盤の上に建つ二重櫓。城内唯一の2階建て櫓で、天守とともに現存の建物になります。
九の平櫓跡
二重櫓北側の石段を登ると、後曲輪に出ます。端には九の平櫓跡があり、そこが現在の備中松山城の最北端となります。
水の手門跡
後曲輪を下りて、北にあるのが水の手門跡。ここまでが現在の松山城となります。ここから先は大松山城方面となりますが、行っちゃおうか?(行っちゃいました)
感想
とにかく山上の石垣が素晴らしかったです。岩盤上の石垣は迫力満点で、「真田丸」のオープニングロケ地に選んだスタッフはお目が高い。貴重な現存天守も見どころがありました。また、乗り合いタクシーを運行したり、猫城主で話題作りしたり、高梁市も頑張っていますね。城内も整備されていて、気持ちよく城歩きできました。